一年に渡る日本人最強の女子ボクサーを決める闘いが終わった。

チャンピオンの座は佐々木誼が揺るがないものにした。

この一年の彼女のファイトを見れば異論を唱える者は誰もいないだろう。

驚異のパンチ力と熟練した試合運び。二つが巧みに交じ合わさった佐々木誼のボクシングの前に日本のトップランカーたちは次々とキャンバスに沈んでいった。

二か月後の4月25日。日本武道館に世界チャンピオンがベルトを持ってリングに現れる。

階級は多岐に分類されてあれど、世界のチャンピオンベルトは一つしかない。

ベルトを手にした時点でパウンドフォーパウンドになる。

それが幾つもの並行世界が繋がった世界の新たな秩序。

世界最強の女子の称号であるベルトを腰に巻くべく佐々木誼はその気高きリングに上がる。